はじめに
デジタルマーケティングに取り組む企業は年々増えています。一方で、「マーケティングの戦略立案」については書籍や情報が多いのに対し、“デジタル前提でどう進めるか” を体系立てて語られる機会はまだ多くありません。
では、マーケティングに「デジタル」が付くことで、取り組み方は何が変わるのでしょうか。
本記事では、当社の見解として、デジタル時代のマーケターが押さえるべき「取り組み方」を 6つのポイント で整理します。実務で迷いが出やすい「KGI/KPI」「後工程との調整(アライメント)」「評価・改善」まで含めて解説します。
まずは用語の整理(本記事の定義)
議論がぶれないよう、本文で使う言葉を以下のように定義します。
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戦略:ゴールを達成するためのストーリー(PEST / SWOT / 3C / STP / 4Pなどで構造化)
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作戦:戦略を実現するための活動計画(例:イベント、キャンペーン)
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戦術:作戦を成功させるための手段(例:広告、Web、メール、電話、DMなど)
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アライメント:関係者・組織と調整し、認識を合わせること
目次
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取り組み方の大枠を理解する
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戦略は「後工程」から決める
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KGIにこだわる
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KPIにこだわる
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リード情報の取得にこだわる
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評価し、改善し続ける
当社の見解:デジタルマーケティングとは
当社はデジタルマーケティングを、次のように定義しています。
オンライン/オフラインを問わず、マーケティングに必要な情報をデータ化し、蓄積・計測・可視化(連携)して戦略的に活用していく活動
デジタルの本質的な価値は、単に“Web施策をやること”ではありません。
データ化できる/残せる/測れる/改善できる という特性を前提に、マーケティング活動の最適化を加速させる点にあります。
言い換えると、デジタルマーケティングは「現状(今のデータ)とゴール(あるべきデータ)のギャップをどう埋めるか」をデータ起点で設計し、運用し、改善し続ける取り組みです。
ポイント①:取り組み方の大枠を理解せよ
デジタルマーケティングの取り組みは、概ね次の3フェーズで進みます。
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戦略フェーズ
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作戦・戦術フェーズ
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実行フェーズ
この進め方自体は一般的ですが、現場で起きがちな失敗は「戦略が絵に描いた餅になる」ことです。原因は大きく2つに整理できます。
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支援会社のデジタルマーケティング理解が浅い
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自社側がデジタルマーケティングを理解しておらず、判断できない
デジタル領域では、従来のフレームワークに加えて、データ分析・システム構成・データフロー・項目設計・関連部門の調整 まで含めて“どう実現するか”をストーリーに落とし込む必要があります。
たとえば「MAを入れれば自動でリードが増える」という話が成立しないのと同じで、戦略と設計がなければツールは成果を生みません。
ポイント②:戦略は「後工程」から決めよ
取り掛かる順番として重要なのは、後工程(インサイドセールス・営業など)から逆算すること です。
なぜなら、マーケが渡すべきリードの条件が分からないと、戦略の方向性が定まらないからです。
ここを曖昧にしたまま現状分析だけを進めると、最終的に「条件が決まらず評価もできない」状態に陥りがちです。
また、後工程と握れていないまま進めると、マーケの独りよがりになりやすく、結果として
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営業が対応しない
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営業が選別(ふるい)に時間を取られる
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本来業務以外の負荷が増える
といった、現場の摩擦が起きます。
重要なのは、「マーケが取るべき情報は、マーケが勝手に決めるものではない」 という前提です。
後工程が必要とする情報が決まる
→ マーケが取得すべき情報が決まる
→ それを取得するストーリーが描ける
→ 作戦・戦術・コンテンツ設計に落ちる
この順番で進めることで、遠回りを避けられます。
そしてこの調整こそが、マーケターにしかできない価値=アライメントです。
ポイント③:KGIにこだわれ
KGIは「測れること」「期内で評価できること」が重要です。
売上貢献までをマーケKGIとすべき、という考え方もありますが、BtoBのリード創出型モデルでは売上が営業活動の影響を強く受け、商材によってはリードタイムも長くなります。
その場合、マーケの成果を正しく評価できない指標をKGIに置くと、評価そのものが機能しません。
当社見解としては、アライメントが前提ではありますが、KGIはまず
「後工程が受け取ったリード総数(合意条件に合致したリード数)」
とするのが現実的です。
一方で「売上を見ない」という意味ではありません。
渡したリードがどう商談化・受注につながったかを、営業と一緒に追い、条件を調整することがアライメントです。KGIの設計とアライメントはセットで成立します。
ポイント④:KPIにこだわれ
KGIが不変のゴールであるのに対し、KPIは 作戦・戦術に応じて可変 です。KPIはKGIから逆算して設計し、運用しながら調整します。
たとえば「BANTが揃ったリードだけ欲しい」「すぐ売れるリードだけ欲しい」と後工程が求めると、マーケが営業活動の一部まで背負う構造になり、現実的にリードが枯れます。これは多くの組織で起きる典型です。
重要なのは、次のバランスを定期的に確認することです。
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営業が捌ける量・質か
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マーケが創出できる量・質か
KPIを計測する目的は、評価して投資を最適化することにあります。
効果の弱い媒体・施策を早期に見つけ、ROIの高い活動に寄せる。
デジタルの強み(計測可能性)を最大化するために、KGIにつながるKPI設計が必須です。
ポイント⑤:リード情報の取得にこだわれ
後工程の条件が決まると、ようやく「どこで、誰から、どんな情報を、どう取得するか」を設計できます。ここでのポイントは3つです。
1) 活動をつなぎ、取得機会を増やす(横串)
外部大型イベント、代理店イベント、自社イベントなどを点ではなく線で設計し、どの接点でどの情報を取るかを整理します。
2) コンテンツを再利用して取得する(デジタルのメリット)
リアルイベントは1回で終わりがちですが、録画・資料・記事化により再利用できます。
「参加できなかった」「セッションが重なった」層も含め、リード獲得の面を広げられます。
3) 情報提供と引き換えに価値を出す(インバウンド)
ユーザーが自分の情報を渡してでも欲しい価値(コンテンツ、サービス)を設計します。
インバウンドは一般にアウトバウンドより確度が高く、後工程にとっても扱いやすいリードになりやすいです。
ポイント⑥:評価せよ(評価なしに改善はない)
最後は評価です。評価なしに改善は成立しません。
特に重要なのは、渡したリードを営業がどう評価したか、必ずフィードバックを得ることです。
アライメントとは上下関係ではなく、同じ目的に向けて条件を調整し続けることです。
定期的な場を設けて、
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渡したリードの商談化状況
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条件の妥当性
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追加であると有益な情報
などを擦り合わせます。
KGI/KPIを蓄積し、評価し、改善する。
この循環を回せることが、デジタルマーケティングの最大の強みです。
まとめ
デジタルマーケティングは「施策」ではなく、データを起点にした改善の仕組みづくり です。
本記事の6つのポイントを押さえることで、取り組みが“絵に描いた餅”になりにくくなります。
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大枠(戦略→作戦・戦術→実行)を理解する
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後工程から逆算して設計する
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KGI/KPIを計測可能な形で握る
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リード取得を設計する
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評価し、条件を調整し続ける
会社情報
株式会社B-Story
会社概要:https://www.b-story.co.jp/company
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